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Delight

「繋ぎ止めるもの」
この世界に自分を繋ぎ止めるものは何もない。
ビーズのようにはじけて、炭酸の泡のように自由に、シャボン玉のように色を変えて遠くへ。
私は自由。と閉鎖病棟の一室でつぶやいてみる。わたしは、自由。

「やじうま」
わたしは桜がきらい。別れと出会いの時にだけ咲くなんてやじうまみたい。笑われている気分になるの。
あとそんな花が「儚い」だなんて褒められていることへのジェラシー。だからそんな花を強くつぶせるから桜もちは大好き。
ぎしぎし噛んじゃう。お前が嫌いだ!って。そんなことをある大人に言ったら
「その、あなたの嫌いな桜、食べることであなたの身体の1部になっていますが大丈夫ですか?」
って言われてギャーって思った。それは困る、でもおいしいから食べます。これからも。

「幸せな涙」
どんなに世界に絶望してもきれいなものをきれいと感じる力が残っていることが切なくて、そして嬉しくてまだ生きていくって決意する瞬間に涙が溢れ出します。その、涙です。よくこの気持ちのなんとも言えない気持ちになって絶望も混じり、泣きます。

「誘惑のよだれ」
みんなが病院のごはんがまずいって言っている。頑張っているみんなに私、ご飯作ってあげる、栄養士になりたいな。長い間入院して外の美味しいものを食べられていないみんなが喜ぶご飯を。
私も入院していて外に出られないんだけどね。えへへ

「炎の花」
赤色は私の一番好きな色。だから絵を描く時にも他の色よりも気合と魂がこもる。
濃く、強く咲き誇る魂の花。
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